接触冷感素材の実際の使用感はどうなんだろうか?

先週にヨットに乗せてもらう機会がありました。せっかくなので接触冷感素材のサンプルを借りて、着用感を報告したいと思います。接触冷感とは物体の熱伝導性(熱の伝わり易さ)と表面形状(肌との接触面積)が大きく影響します。冷感を感じ易い要素としては、長繊維・フィラメント糸・強撚糸・平面的・高密度といった要素があります。
接触冷温感を数値化したものがQ-maxという値で、最近聞かれることもあるかと思います。このQ-max値とは最大熱吸収速度を意味し、試験条件として⊿T(デルタティー)=10℃ ⊿t=20℃とか記載されていることがありますが、これは生地と接触物体の温度差を表しています。


以前に検査機関様で受けたセミナーでの写真です。生地に室温(部屋は常に20℃に設定)に対して、接触する肌を想定した+10℃もしくは+20℃に加熱した測定機を当てます。その際に瞬間的に移動した熱量を測定し、w/c㎡で表されます。Wというのは物理でいうところのエネルギーのことで、1cm角辺りのエネルギーを表しています。一般的に⊿T=10℃の場合は0.1W/c㎡、⊿T=20℃の場合は0.2W/c㎡以上を基準として有意性があるとされたりしてますが、基準に関しては検査機関によっても情報が色々あって、確定していないかもしれないです。ともかく値が大きくなるほど、より接触冷感を感じるということになります。

着用感としては、やはり最初は少しヒヤッとする感じはありますが、瞬間のみであとは普通の生地という感覚でした。ネット上でもそういったレビューが見受けられます。
先程も書いてますが、そもそも接触冷感とは熱伝導性と接触面積による要因が大きいです。熱は常に高い方から低い方に移動し、我々が冷たいと感じているのは、低い温度そのものではなく、熱が温度の低い空気や物体に奪われるからということです。そして奪われた熱はその物体に移動して温度を上げます。熱が伝わり易いということは、すなはち温度が上がり易いことにもつながります。そして私たちは常に体温が一定になるように体が調整をかけてくれる生き物です。ということは常に体に接触している衣服を冷たいと感じることは、かなりハードルが高いようにも思います。そしてユーザー様が体感でそれを他より良いと感じることも難しいかもしれません。加えて接触面積のことになると、そもそも編み生地のように立体感があるものも接触冷感には不向きということになります。

私としては今のところ、一瞬の冷感というよりは、夏の素材としては肌に貼り付かない編み生地の吸汗速乾素材のほうが好みかな~と思ってます。今後はさらに機能の良い素材が出るかもしれませんが・・・


服よりは、布団やシーツではかなり冷感素材が注目されているようですね。確かに温度が上がっても、布団のように大きく全てが肌に接していないなら、ポジションや使用位置を変えたら、また冷感を感じれかもしれません。そういえば、私もついつい枕の下に腕を入れて冷たくて気持ちいい感じを味わっていたと思い出しました。すぐに自分の体温で温かくなってしまうんですけどねー。